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「精密調周」とは、今までの周期療法の精密度をさらに高め、より妊娠力・妊娠維持を高める方法です。今回不妊講座のグループミーティングにて、山東中医薬大学の連方教授より、このテーマでご講演を頂きました。
不妊症は、そもそも遺伝子因子や代謝失調、生活環境のストレスなどの影響を受けて、内分泌系、卵管、子宮、免疫などの機能性と器質性の病理変化を起こし至った疾患です。そこで、それぞれの方の周期変化を細かく分析することにポイントを置かれたのが「八期学説」です。これを「精密調周」と呼びます。
1.月経期(1〜3日) 行気活血
■目的/気血を巡らせて気血をスムーズに排泄させる
■方剤/冠元顆粒など
2.卵胞初期(4〜8日) 滋陰養血
■目的/卵胞募集期で、卵胞の発育を促す
■方剤/二至丹・杞菊黄丸・亀鹿仙・婦宝当帰膠など
3.卵胞中期(9〜11日) 腎陰陽血・佐用扶陽
■目的/子宮内膜増殖初期・中期に合わせて主席卵胞の発育を促す
■方剤/二至丹・参茸補血丸・参馬補腎丸・亀鹿仙など
4.卵胞後期(12〜14日) 滋陰助陽・陰陽併重
■目的/子宮内膜増殖中期・後期・排卵前期の内膜を養い、優勢卵胞後期の卵胞成熟を促す
■方剤/杞菊地黄丸・二至丹+参茸補血丸・参茸丸
5.排卵期(15〜17日) 補腎活血・促排卵
■目的/子宮内膜増殖後期、排卵期の卵胞をスムーズに排卵させ、子宮内膜を充分な厚さにする
■方剤/冠元顆粒・水快宝・双月宝など