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甲状腺機能低下症とは、甲状腺からの甲状腺ホルモン(T3、T4)の分泌が低下することをいいます。
甲状腺ホルモンは、私達の体全体の組織(骨格節、心臓、腎臓、肝臓など)に大きな影響力を持ち新陳代謝を活発にし、基礎代謝を亢進させ体温を保持します。甲状腺が充分に分泌されなければエネルギー産出が落ち、低体温となりますので、不妊の大きな原因となりかねません。
●甲状腺ホルモンが低下した場合
◎全体症状としては
疲れやすく、倦怠感が強く、食欲がなく、息切れ、動悸、喘息などの症状が現れます。寒がりで、四肢が冷え、下腹のむくみも出やすくなります。気持ちの落ち込みも酷く、憂鬱で恐怖感が強くなる可能性が高くなります。
◎生理周期としては
不安定で無月経、不正出血などが続く場合は不妊となる可能性が高くなります。
このような症状に悩まれている方は、早期に血液検査を受けて甲状腺ホルモンが正常であるかの確認が必要です。とくに、妊娠を希望される方でTSH(甲状腺刺激ホルモン)が2.5以上の場合には、甲状腺ホルモン剤の服用が必要です。甲状腺機能が低下すると脳下垂体よりTSHが過剰に分泌されます。その影響でPRL(プロラクチン)分泌細胞が、亢進してPRLが高値となり妊娠の妨げとなります。又、TSHが高いと卵巣の顆粒膜細胞のFSH(卵巣刺激ホルモン)に対する反応が低下して、卵胞の発育が障害されるのです。
妊娠希望35才のAさんは、血液検査の結果、TSHが2.5以上と高いためにチラージンが処方され服用しましたが、冷えがひどく、朝から行動しづらい程の倦怠感が強いために、気持ちまで落ち込みがひどいという状態でした。当店で、それらの症状を改善すべき漢方を服用して頂きました。
その結果、妊娠となり無事男の子を出産されました。
甲状腺機能低下によって、体が冷えやすく、エネルギー不足で妊娠に関係するホルモンも不安定になります。病院の薬と合わせて、その人に合った漢方薬でサポートすることが大切だと思います。
そのことがやがて、妊娠・安胎・出産へと繋がります。