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妊娠報告を聞いた時、本当に心より嬉しく、抱きしめてしまいました。
Aさんは小学校5年生の時、甲状腺機能低下症で治療の為に1年間甲状腺ホルモン剤を服用し、甲状腺ホルモンが正常になったという病歴がありました。6年生になり初潮を迎えましたが、生理不順が続いていました。
20代で結婚され、将来や子どもの事を考えてホルモン療法を始めました。初回はクロミッド1錠で、卵の成長が見られましたが、タイミングを取る事を何回かしている内に卵の成長が見られなくなりました。
このままではダメなので、次にhMG(下垂体性性腺刺激ホルモン)注射により卵の成長をはかりました。最初は成長が見られるのですが、次第に反応が無くなり、ついには生理も来ないという結果となりました。
すごく悩んだ末、遠方よりご相談に来られました。
ホルモン数値を見せて頂くと、脳下垂体より分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体刺激ホルモン)数値がかなり低い状態(小学校の時の甲状腺機能低下症と関係あると思われます)。
基礎体温表はガタガタで卵巣が機能していない状態。生理もなく周期は見られませんでした。
Aさんは、厳しい状況であることをしっかり自覚しておられましたので、2週間に1回必ず来店され、真剣にきちんと向き合い、信頼して一緒に頑張って下さいました。
血液の力を高め、血液の流れを高め、性腺軸を強くする漢方を中心に、卵巣の底力を引き出す漢方をじっくり服用して頂きました。
次第に自分の力で卵も成長できるようになり、自然に生理も再開しました。しかし、今度はご主人の方に問題が出て来ました。精子の量が少ない為検査したところ、精索静脈瘤ということで手術されました。
このようなさまざまな困難をご夫婦で1つ1つ受け入れながら、たくましく乗り越えて無事に妊娠となりました。
現在、つわりが酷く充分に食べられませんが、赤ちゃんは元気にスクスク育っているとのことです。しっかり見守りながら、無事の出産を祈念しています。