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中医学と西洋医学の診断方法の異なるところは、簡単にいえば観察の視点の違いです。
アトピー性皮膚炎の診断方法を例にとってお話します。
まず西洋医学では、アトピー性皮膚炎の湿疹反応は、赤くてもジュクジュクでも「湿疹」の一言でくくりがちで、その処方はステロイド剤が中心となることも少なくないようです。
中医学では、アトピー性皮膚炎の状態は刻一刻と変化するものととらえているので、皮膚の状態が病気の進行過程のどの段階なのかを把握してきます。
皮膚に赤みがあれば、体内に「熱」(炎症)がこもっていると判断します。この赤みにも程度があり、ピンク色ならば皮膚表面だけに「熱」があり、真っ赤であれば「熱」は深く体に入り込んでいます。赤くてジュクジュクがあるという場合、熱だけではなく「湿」(不要な水分)も持っていると判断します。患部の表面が一見カサカサしていても、引っ掻くと汁が出るような場合は「湿」がたまっていると判断します。
患部の状態はそれぞれに異なっているので、当然対応も異なったものとなります。
中医学の診断法は多岐にわたります。一人ひとりの体質、状態に応じた漢方をおすすめします。お気軽にご相談ください。