山一薬局立小路店 

ステロイド剤の使い分け

ステロイド剤は、皮膚のトラブルで病院からよく出されます。ステロイド剤は腎臓の上にある副腎でつくられるホルモンで、副腎皮質ホルモンとも言います。薬はこれを人工的に合成したものです。炎症を抑える優れた効果があることから、皮膚トラブルでは治療によく使われます。塗り薬は、炎症を抑える力の強さにより、5段階に分けられます。

強い方から順にStrongest:最強VeryStrong:とても強いStrong:強い、Midium:中くらいWeak:弱いと分けられます。処方せんが必要な医療用医薬品ではStrongest:最強~Weak:弱いの5段階のものがありますが、OTC医薬品(一般用医薬品)ではStrong:強い~Weak:弱いの3段階のものがあります。

1
Strongest:最強…デルモベート、ダイアコートなど
2
VeryStrong:とても強い…ネリゾナ、マイザー、アンテベート、フルメタ、ビスダームなど
3
Strong:強い…リンデロンV、ベトネベート、フルコート、リドメックス、ボアラなど
4
Midium:中くらい…キンダベート、アルメタ、ロコイドなど
5
Weak:弱い…プレドニゾロン、デキサメタゾンなど
部位により、吸収力が違うので、炎症の程度や出来ている部位によって選択されます。その為、顔用、体用などで強さの違うステロイド剤が選ばれます。

副腎皮質ホルモン剤の吸収差

前腕(内側)を1とすると、吸収力は頭皮3.5、額6.5、頬13.0、あご6.0、背中1.7、脇の下3.6、前腕(外側)1.1、手のひら0.83、陰のう42.0、足首0.42、足の裏0.14…というように、それだけ吸収力に差があります。

当然、大人と子どもでも違います。乳幼児の場合、Strong:強い~Weak:弱いのレベルのものが選ばれるのが一般的です。

ステロイド剤は短期集中として、必要な時には使う。炎症が落ち付けばランクを1段階落としたり、思い切って何日か休んだり、ダラダラ使わないことです。

ステロイド剤は、少量をこすらず、チョンチョンと置くようにして薄く伸ばしてあげることです。力を入れて塗ったりこすったりすると、刺激で赤くなったり、痒くなったりするので…。その場合、「薬指」で塗ってあげると、力が入り過ぎず、肌に負担になりません。

その後は再発しないように、スキンケアで皮膚のバリア機能を高めてあげることが大切です。

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